AIの資料作成プロンプトは、「目的・読み手・結論」を指定し、構成案を確認してから各スライドを本文化すると使いやすくなります。この記事では、提案書・報告資料のパワポ作成に使えるプロンプト例と、PowerPointやGoogleスライドへ移す手順を紹介します。コピーしたプロンプトの[ ]を埋めて使ってください。
AIで資料作成する前に、目的・読み手・結論を決める
最初から「提案資料を10枚作って」と頼むと、読み手の判断に必要な情報が抜けたり、一般論が並んだりします。まず次の3点を1文ずつ決めます。
- 目的:資料を読んだ後、相手に何を決めてほしいか。
- 読み手:誰が、どんな前提知識や懸念を持って読むか。
- 結論:その判断に向けて、自分は何を提案・報告するか。
提案書なら「小規模な試行を承認してもらう」、報告資料なら「遅延への対応方針を決めてもらう」など、具体的な行動まで書きます。「わかりやすく説明する」だけでは、資料の着地点が定まりません。
結論は依頼者の現時点の案で構いません。ただし、根拠が足りない結論を確定事項として扱わないよう、仮説や提案と明示します。ここは人が決め、AIには不足や矛盾を指摘してもらいます。
AI資料作成のプロンプト例①:スライド構成案を作る
次のプロンプトは、1枚ごとのタイトル・要点・図の案をまとめるものです。[使用できる事実・データ・出典]には、社内で利用を許可された情報だけを入れます。情報がなければ「未収集」と書いてください。
あなたは提案書・報告資料の編集者です。以下の入力だけを根拠に、PowerPointやGoogleスライドへ転記できる構成案を作ってください。 【入力】 資料の種類:[提案書/報告資料] 目的(読み手にしてほしい判断・行動):[記入] 読み手(役職・前提知識・関心事):[記入] 結論(最も伝えたいことを1文):[記入] 利用場面:[口頭説明あり/配布して読んでもらう] 枚数の目安:[記入] 使用できる事実・データ・出典:[数値、単位、対象期間、比較条件、出典名を記入] 制約:[予算・期限・対象範囲など] 【進め方】 1. 目的・読み手・結論に不足や矛盾があれば、重要な確認質問を最大3つ出し、回答を待つ。 2. 不足がなければ、目的・読み手・結論を各1文で整理する。 3. 読み手が判断する順番で構成案を表にする。 【構成案の列】 番号/結論を言い切るタイトル/その1枚で伝えるメッセージ/要点(最大3つ)/図・表・グラフの案/使う事実と出典/要確認事項 【条件】 ・1枚1メッセージ。要点が多ければ枚数を増やす案を示す。 ・事実、仮説、提案を区別する。 ・入力にない数字・効果・出典を補わず、「要確認」と書く。 ・数値比較は表、同条件の項目比較は棒グラフ、時系列は折れ線グラフを候補にし、選んだ理由を書く。適さない場合は図にしない。 ・最後のスライドで、求める判断または次の行動を明示する。 ・構成案までで止め、本文はまだ作らない。
構成案を受け取ったら、目的に直結する内容か、各スライドのメッセージが重複していないかを確認します。「現状」「課題」のような項目名だけのタイトルは、「確認待ちが残業の主な発生要因」のように、その1枚の結論へ直します。根拠がまだなければ「確認待ちが残業要因の可能性」と留保します。
入力例と出力例:問い合わせ対応の改善提案
以下はすべて架空の例です。実際に使うときは、自分の資料に使える事実へ置き換えます。
入力例
資料の種類:提案書 目的:定型回答集を作る試行の承認を得る 読み手:A社の部門責任者。費用と対応品質を重視 結論:定型回答集を一部の問い合わせで試行したい 利用場面:口頭説明あり 枚数の目安:4枚 使用できる事実・データ・出典: 架空の9月問い合わせ分類表。全100件のうち、 手続き40件、納期35件、その他25件。単位は件。 1件につき主な分類を1つ付けた集計。 制約:対象は手続きに関する問い合わせ。効果は未測定
出力例(構成案の一部を抜粋)
| 番号 | タイトル・メッセージ | 要点 | 図表の案 | 事実・出典/要確認 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 手続きの問い合わせで定型回答集を試行したい | 対象と承認事項を提示 | 試行範囲を示す図 | 提案。費用・期間は要確認 |
| 2 | 手続きの問い合わせは全100件中40件 | 分類ごとの件数を比較 | 分類別の棒グラフ | 架空の9月問い合わせ分類表。効果は未測定 |
| 3 | 回答集は担当者が確認してから使う | 作成・確認・利用の順で運用 | 3段階のフロー図 | 運用の提案。確認担当は要確認 |
| 4 | 試行条件を決めて実施を判断したい | 費用・期間・評価方法を合意 | 決定項目の表 | 条件は要確認 |
40件あることは、回答時間の短縮や品質改善を証明しません。「定型回答集で対応が速くなる」と断定せず、試行で確かめる項目として扱います。
パワポ用プロンプト例②:各スライドを本文化する
構成案を人が修正した後、次のプロンプトで本文を作ります。最初の出力をそのまま渡さず、承認した内容だけを貼るのがポイントです。
以下の承認済み構成案を、スライドに貼り付ける原稿にしてください。 【承認済み構成案】 [確認・修正した構成案を貼る] 【利用場面】 [口頭説明あり/配布して読んでもらう] 【確認済みの事実・データ・出典】 [使用を認めた情報だけを貼る。数値には単位・対象期間・比較条件・出典名を付ける] 【各スライドの出力形式】 スライド番号: タイトル:結論が伝わる1文 本文:最大3項目。各項目は短い1文 図・表・グラフの指示:種類、配置、必要なラベル 図表用データ:表形式。項目名・値・単位・対象期間・出典を明記 出典欄:出典名と対象箇所。入力にない場合は「要確認」 発表者用メモ:口頭で補う説明。スライド本文には混ぜない 確認事項:未確認の事実、比較条件の違い、判断が必要な点 【条件】 ・承認済みの結論と順番を変えない。 ・入力にない数字・固有名詞・出典・因果関係を作らない。 ・データ不足ならグラフや架空データを作らず、必要なデータを列挙する。 ・グラフでは軸、単位、対象期間を指定する。割合は分母も示す。 ・事実、仮説、提案の区別を保つ。 ・文字が多くなる場合は、情報を削る案とスライドを分ける案を示す。
例えば先ほどの2枚目なら、本文は「9月の問い合わせは全100件」「手続きは40件」「今回は手続きの問い合わせを試行対象とする」です。前の2つは事実、最後は提案として区別します。図表用データは「手続き:40件、納期:35件、その他:25件」で、出典欄には架空の分類表名を記載します。
口頭説明がある資料では細かな補足を発表者用メモに回します。配布資料では、その資料だけで理解できるよう、用語の意味や判断の前提を本文に残してください。
表・グラフにするデータをAIへ指示するコツ
数値があれば何でもグラフにする必要はありません。正確な金額や条件を読み比べるなら表、項目間の大小を見せるなら棒グラフ、同じ指標の時間変化を示すなら折れ線グラフが候補です。手順や役割分担なら、フロー図が向いています。
AIには「このデータで何を比較したいか」まで伝えます。例えば「問い合わせ分類ごとの件数を比較したい。縦軸は件数、横軸は分類、対象は9月」と指定します。割合なら分母、増減なら比較期間も添えます。集計方法や対象範囲が異なる数字は、同条件の比較として並べないでください。
棒グラフの数値軸は原則0から始めます。見た目だけで差を強調せず、ラベルと元データで意味が伝わるかを人が確認します。
AIの原稿をPowerPoint・Googleスライドへ移す手順
ここで作るのは構成案と原稿です。利用するAIや環境によって、スライドファイルを直接生成できるかは異なります。まずは次の手順で移せます。
- PowerPointまたはGoogleスライドで資料を開き、必要なスライドを用意します。
- 各スライドへタイトルと本文を貼り付け、文字量に合わせて配置を調整します。
- 図表用データを使って表やグラフを作り、単位・対象期間・出典を添えます。
- 図の案をもとに図形や矢印を配置し、補足は発表者用のメモとして整理します。
- スライドを順に表示し、文字のはみ出し、読みにくい図表、結論の重複を直します。
文章を小さくして詰め込む前に、補足を移すか、スライドを分けます。最後に「何を決めてほしい資料なのか」が読み取れるかも確認してください。
うまくいかないときの修正と注意点
一般論が多い場合は、読み手の懸念と求める判断を具体化します。結論が飛躍する場合は「各主張に対応する根拠を示し、根拠がないものは仮説に戻す」と追加します。文字が多い場合は「各スライドで判断に必要な要点を3つまで残す」と依頼します。
入力前には社内の利用ルールを確認し、機密情報、個人情報、未公開の顧客情報を入れないでください。社名だけをA社に替えても、案件の詳細から特定できる場合があります。必要な範囲に絞り、集計した情報を使います。
数字・計算・出典・引用は、人が元資料と照合します。AIが示した出典名だけで確認済みとせず、実際の資料にその記述があるかまで確認してください。AIが構成と下書きを作り、人が判断と検証を行う運用です。
よくある質問
AIで資料作成するとき、最初に何を入力すればよいですか?
目的・読み手・結論の3点です。次に、利用場面、使える事実、枚数の目安、制約を加えます。決まっていない項目は未定と書き、AIの確認質問を使って整理します。
同じプロンプトを提案書と報告資料の両方に使えますか?
使えます。提案書は承認してほしい内容、報告資料は実績・差異・対応方針を判断できるよう、目的と結論を書き換えます。報告資料でも、実績と原因の仮説は分けてください。
AIが出したパワポ原稿はそのまま使えますか?
下書きとして使い、数字と出典、読み手に求める判断を確認してから移します。貼り付け後の文字量や図表の読みやすさも、実際のスライド上で確認が必要です。
添付ファイル CC0 ・ 自由に持ち帰れます
- プロンプト ・ 1.7 KB
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会社のデータをAIに入れる前に、社内ルールを確認しましょう。
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